2006.09.17
先日母の4回目の命日をむかえました。私は24歳の時に母を食道癌で亡くしました。食道癌は食道がどんどん細くなってしまい、物が通りにくくなります。

僕が母の病気を知ったのは大学を卒業しワタミで働いている時で、その時に後3ヶ月の命と知らされました。

一人っ子なので余計に母とは仲がよく絶対的な存在で母がいなくなる事は想像もできませんでした。

会社を辞め実家に戻り母と一緒に暮らしました。半年間、母は入退院を繰り返し、僕も常に一緒で病院に寝泊りしました。そして4年前の9月母は僕の横で亡くなりました。

常に笑っていた母でした。入院しながらもお化粧をして、髪も結んでいました。

退院して実家に戻っている時、母と近くのイタリアンに行きました。パスタなら物も通るだろうと言って。しかし食べている途中つまってしまい、咳が止まらなくなり店をでました。

帰りの車の中で苦しそうに咳をしながら「おいしかったのに、もっと食べたかった」と母はつぶやきました。

母の食道癌を通じて、人が物を食べられる事の有難さを知りました。当たり前に人は物を食べているけどそれはとても幸せな事である思いました。

飲食店での独立を決意し、母とも約束をしました。お店を開いてお母さんを第一号のお客さんとして招待するからと。

親孝行とは親からもらった命を精一杯生きる事だと思います。

まだまだ店は始まったばかりです。来ていただいたお客様が少しでも幸せと感じてくれる店を作ることが母との約束であり、僕の使命です。

この気持ちを忘れずにいい店を作っていきます。



 
この記事のトラックバックURL
ボットからトラックバックURLを保護しています