そのお客様1、はいつも決まった席に座り、いつも決まったメニューを注文する、

上場企業役員の、できる女性。




ブランド物に身を包み、長く艶のあるサラリとした髪をなびかせ

さっそうとやってくる。


会社の方と来たり、ご主人と来たり。

会話の内容は終始仕事の話。

 熱心に、時折優しさにあふれながら会話が進んでいく。


飲むワインはビールそして白ワイン。

ワインは白ワインしか飲まない。ひたすら白ワイン。少なくとも1ボトル以上。

そのできる佇まいは他の女性から羨望の目で見られているであろう。



僕たちにもとても気さくに、優しく声をかけてくださり、

このお店が一番といつもおっしゃっていただく。

親しい方とこのお店で時間を過ごし、日々の疲れ、ストレスをリセットしているのかもしれい。



それはまるでお掃除ロボット、ルンバのように。

ルンバはお部屋のお掃除を隅々まで完璧にこなし、

一通りの仕事にメドがつくと充電スペースに戻る。

そして充電を終え、一休みしたら、また動きだす。





自分の仕事をただ実直に、懸命にこなす。

日々色々なストレスを抱えながら、けれどそれを顔には出さず。

けれどそんな完璧な女性1も時には休息が必要。

会話を楽しみ、お酒を飲み、美味しい物を食べ、幸せを感じる。

普段は見せない顔もその時だけは少し。

ふと気をゆるした時間なのかもしれない。






僕はそんな時間を提供できていることに幸せを感じる。

お店オープン当初からの思い。

人がその場にいるだけで幸せを感じて頂ける空間を作る。

そのために日々努力している。

僕の考えるレストランは自分の料理で思い、テーマを表現する場ではなく、

あくまで主役はお客様。その傍らで黒子に徹すること。

料理、サービス、空間も全てはテーブルに添えられているガーベラと一緒。

お客様と適度な距離感を保ちながら、そっと寄り添う事が理想の姿。





そんなできる女性のお客様1とカロローゾの付き合い方。




酔うと最後の方同じ事何回も言われ、やや苦笑いだけど、

出禁にしないでくださいよ、と最後絶対言うけど、

お相手の方に、時折、厳しく突っ込まれてるけど、


また来てください。是非。



今回は小説風に攻めてみました。

この方1とのお約束、果たせました。

みてくれるかな。。。






 
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