時折思い出すお店があります。

それは京都七条にあるイルパッパラルドというお店。


大学生の頃初めて行って
イタリアンにパスタ以外の料理ってあったんだとその時初めて知りました。

店は町のごちゃごちゃした所にはなく、
ひっそりとした場所にありました。

店に入るとオープンキッチンで何人かのコックさんがかっこよく動き
塩振りする姿を今でも覚えていて、そのコックさんの顔もはっきり覚えています。



駅からひっそりした道を歩き、しかし店内は活気があり
自らの料理にプライドを持ったコックさん達が動き、
皆で一皿を完成させる様な料理人とサービスの一体感があり。


カロローゾもそのお店から影響を受けました。
もう20年ぐらい前の話。


けど僕の中では色あせずその光景がはっきりと残っています。
色あせるどころか、今まさにそんなお店が求められているんではないかと
思っています。



有名な画家の風景画を見る機会がありました。
買ったらとんでもない金額の絵。

料理も同じ様な気がしました。
自然の光景を自分のフィルターを通し一皿の料理で表現する事。


レストランはそんな尊い、素敵な仕事だと思いました。
それと同時にそう簡単には出来るものではないと。



台風が去った夜に何組かのお客様が来てくれました。
これが違う仕事だったらわざわざそんな日に行こうとは思いません。
ただ人は食べないと生きられないので、行動に踏み切ります。

レストランの必要性と存在意義がとても高い仕事だと
改めて思いました。

大きな企業がどんどん同じ様なお店を出し、
誰もが簡単に出来る仕事と思い働きます。

それによって飲食の価値が薄れていっているような気がします。

本当はとんでもない仕事をしていて、
誰もが簡単にできる仕事ではないと思います。

ヨーロッパでは料理人がステータスの高い、プライドのある仕事になっていますが、
食の文化が世界一と言われる日本で
料理人の仕事が低い仕事と思われがちなのが、何とも皮肉に感じます。

食が発達しすぎ、逆に地位が下がってしまっているのかなと。





そんなレストランについて色々考えた定休日。
体の休日はあっても頭の休日はない日々。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。
週末また台風が近ずく予想がされています。
恐らくカロローゾは普通に営業しています。



 
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